三十路会社員のレート奮闘記

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やがて君になる 8話  感想 考察 ~日常から切り離された燈子の世界~

 

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―「侑の思いっきり笑ったところ 初めて見た気がする」

 

 

 

こんにちは。づかと申します。

やが君8話も、案の定相当タフな内容になりましたが、7話に続いて感想&考察を述べていきたいと思います。

 

※本記事はアニメ『やがて君になる』8話までのネタバレを含みます。ご一読の際は、8話を視聴の上でご覧ください。筆者は原作既読勢ですが、本記事では原作のネタバレはありません。

 

 

 

やがて君になる』8話「交点/降り籠める」

 

 

 

 

 

1.日常から切り離された燈子の世界

 

 

まず、今回の話のキーアイテムの確認を行います。

1つめは、みなさん既にたくさんの考察・解釈を行っている「紫陽花」。

2つめに、「信号機」に注目しました。

 

 

 

 

 

 

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■紫陽花について

「紫陽花 花言葉」は、検索キーワードとして目下急上昇中(?)。

おそらく8話放送後、多くの人が検索をかけたことと思います(笑)

 

この紫陽花については、すでに素晴らしい考察がなされているので、本記事では要旨だけ簡潔にまとめたいと思います(詳細な考察については、後半部分で記事の紹介をさせて頂きます。)

 

まず、紫陽花が持つ役割は下記図式のとおりです。

 

【色】  【人物】 【花言葉

・青   =燈子  冷淡、無情、高慢、辛抱強い愛情、あなたは美しいが冷淡だ 

・白(黄)=沙弥香 寛容

・赤   =侑   元気な女性

 

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(アバン部分。登場する紫陽花は青と白の2色)

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(侑と沙弥香がお店から出てきた場面。登場する紫陽花は白と赤の2色。夕日に照らされて黄色に見える)

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(侑が雨が止まず図書室にいる場面。登場する紫陽花は赤1色のみ)

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(侑と燈子の雨宿り時。登場する紫陽花は青と赤の2色。)


それぞれの色がその人物として結びつく根拠は、画像から分かるように、その場面ごとに登場している花の色と、花言葉のイメージによります。

※紫陽花の花言葉に関するHP

色で変わる「紫陽花/アジサイ」の花言葉(青・紫・白・ピンク) - カラーセラピーランド

 

 

 

●繋がらなかった紫陽花バトンリレー
 

 

 「何色が好き?紫陽花」

 

という問いかけは、アバンで燈子が沙弥香に投げかけたところから始まります。

紫陽花はそれぞれの人物を表しているので、この質問は言い換えると「あなたは誰が好き?」と問いかけていることになります。

 

燈子を起点として、この質問は沙弥香から侑に、侑から燈子へとリレーのように巡ります。しかし、終着点である燈子は、眠ってしまったことで侑からの問いかけに答えることができませんでした。

・燈子が発端なのに燈子は答えてくれない

・侑のことを「好き」と言うのはいつも燈子が言いたい時だけ

・沙弥香も侑もこの質問をしっかりと受け止めて、次に繋いでいる

ということから、「燈子の奔放さ、高い振り回し性能」が伺えます。

 

 

 

 

●赤の紫陽花、元気がなくなっている?

 

侑と沙弥香がお店から出てきた際の赤い紫陽花は、ピンクといっても差し支えない、鮮やかな色を放っています。しかし、燈子と雨宿りする場面では、紫色に近い状態になっています。

 

これは燈子とのやり取りで、「先輩が来てくれて嬉しかったこと」・「先輩に触れてみたい」という気持ちを押し込めてしまい、侑の元気がなくなってしまったことを表しているように見えました。

 

紫陽花の色の変化は、日数とともに、白→水色→青→青紫→赤紫(ピンク)と移っていくそうです。もしかしたら、雨宿りしていた場所の赤い紫陽花は、枯れる時期が近付いていたのかもしれません。

 

※余談ですが、赤い紫陽花は、色の変化で青に変わる(=侑が燈子に近づく)のでは?と最初は思ったのですが、上記のように青→赤の順番になるので、この説は成立しませんでした。自然の摂理には敵わない・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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■信号機について

 

続いては、信号機の持つ役割をみていきましょう。

紫陽花はかなりインパクトの強い演出方法でしたが、信号機も、さりげない場面で登場しています。信号機登場シーンを以下にまとめます。

 

 

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<ヤクドナルドにて>※発音これでいいのか?ワイドナルド??

 ・入店時:赤信号

 ・ポテトを食べているとき:赤信号(親子が写る)

 ・退店時①:青信号から赤信号

 ・退店時②:赤信号(「「そんな日がきたら」」と2人が呟く)

 ・退店時③:赤信号から青信号へ。2人が横断歩道を渡る。

 

<侑が怜ちゃんに電話した場面>

 ・怜ちゃん車を運転する:

 

<相合傘での帰宅中>

 ・侑と燈子、いちゃいちゃしていて信号を逃す:

 

以上になります。

描写の数としては多くはないと思います。

 

信号の色は青と赤、そして黄色(1回だけ)であることから、

・紫陽花との何らかの関連性があるのではないか?

 たとえば、その信号の色がそれぞれ燈子・沙弥香・侑に当てはまるのでは?

と最初は思いました。

 

 

しかし、その視点では何度見てもしっくりとした解釈ができませんでした。

 

そこで、無理に紫陽花と結び付けて考えることを諦めて、信号機が単独で持つ役割を追ってみました。そこでようやく気づけたものが、3つありました。

 

 

役割①:会話の場面に挟み込むことにより、会話の「間」を持たせる。

役割②:点滅や切り替わりにより、時間的な「間」を持たせる。

役割③:信号機が信号機の役割を全うしていること。

 

 

役割①と②は似て非なるものです。

①の効果は、侑と沙弥香の会話に挟み込むことで、視覚的に飽きさせないことが狙いです。②の効果は、物語のテンポや時間の流れを整えることが狙いです。特に怜ちゃんの運転している場面が顕著で、雨の情景とあわせて、青・黄・赤と写すことで、ゆっくりとした時間の流れを生み出しています。 

 

 

そして最も重要と考えるのが③の役割です。場面ごとに詳しく見ていきます。

 

<ヤクドナルド>の場面では、

・お母さんが、こどもが飛び出さないように手を繋いでいること

・青から赤になったら止まり、赤から青になったら歩き出すこと

・侑と沙弥香が横断歩道を渡る場面では、交差点に侵入してくる車が丁寧に止まっていること

が描写されています。

 

<相合傘>の場面では、

・侑と燈子がいちゃいちゃすることで、燈子が「信号青だよ」と促しますが、信号を逃してしまいます。会話の内容は、この一幕に限って言えば、相合傘のシーンにおけるテンプレ的な内容です。

 

当たり前すぎて何を言ってるだーと思われるかもしれません。

でも、この点が今回の記事で最も大事な部分と考えているので、どうかお付き合いください。

 

③の役割から読み取れることは、信号機が信号機の役割を全うすることで、つつがなく世界が動いている、ということです。特別な描写は何もありません。信号という交通ルールがあり、誰もがそれを遵守している。そうして世界は動いてる。

 

深読みかもしれませんが、演出がないことが演出であり、紫陽花と対極な存在がこの信号機の描写と捉えています。

 

 

 

 

 

ここまでを下地に、ようやく本記事の核心部分に触れたいと思います。

 

 

 

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8話の最も衝撃的な場面は、燈子の、

「その嬉しいって、どういう意味?」

です。

 

ここの演出において、ネットの感想などで、

「どういう意味?のシーンはBGMを止めてもっと冷たい感じを出してもよかったかも」

「いい雰囲気のまま流れちゃったよね」

「そんなホラー演出心臓止まるわ」

との感想を拝見しました。これ自体、間違っている解釈とは全く思いません。

 

 

ただ、本記事内の考察においては、「このまま流れることが正解」と言います。

 

理由は2つあります。

1つめが、すでにその手法を2話と6話で行っていること

です。

 

 

 

【2話】

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カンカンカンカンカンカン・・と鳴る遮断機

キスの瞬間、電車は止まり、世界が静止します。

遮断機の音だけが非常にゆっくりと鳴り響いている。

 

 

【6話】

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カンカンカンカン・・と徐々に大きくなる遮断機の音。

「そんなこと 死んでも言われたくない。」瞬間、世界は無音になります。

そして一瞬の間を置いて、ガタンガタン、と電車が通り過ぎます。

 

このように、2話は物体が静止・6話は音が静止する演出がすでに使われています。

 

 

 

 

2つ目は、

七海燈子の世界が日常からかけ離れているものだから

です。

 

 

 

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信号機のくだりで述べたように、物事にはルールがあります。

 

燈子が「どういう意味?」という言葉を発しても、それまで続いていた柔らかなBGMは止まることはありません。雨が降りしきる中、紫陽花の葉に溜まった水は、流れることを止めません(緑滴る、の場面ですね)。

 

日常は、七海燈子の世界には付き合わない

 

2話や6話とは、真逆の演出になっていることが伺えます。

 

 

ではなぜ、燈子の世界だけ切り離されてしまっているのか?

 

これはすでに6話で明かされていますが、お姉さんが交通事故で亡くなったことが理由です。信号機の役割③で、信号機の持つ役割を全うしていると述べましたが、お姉さんの時はその役割が果たされなかったことになります。

 

その日から、燈子の生活は一変し、成長とともに他人の好意が受け入れられない人間になってしまいます。それは、侑も例外ではありませんでした。あの場面で侑が言葉を誤ると、燈子は侑から離れてしまった可能性が高いです。

 

【誰からの好きも拒絶する燈子の世界】と日常との間には、大きな壁が存在することをあの場面は描いていたのだと考えます。

 

このように信号機を基盤とし、音楽や滴る水をそのまま流し続けることで、燈子が抱える特異性を強烈に示すという、これまた凄い演出技法を見せられました。演出の巧さと、燈子の闇が深すぎて震えます。

 

 

 

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しかし、侑が隣にいてくれることで、燈子は素の笑顔を見せてくれます。侑ならずとも、「今はこのままでいい。」と現状維持の選択をすることが最善と思ってしまいます。

 

 

 

 

 

 

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※余談ですが、「緑滴る」の解釈を少し。

気になるのは、「この本以外にタイトルがついていない」ということです。つまりこの本がほかの本と比べてイレギュラー=特異性を持っていることになります。

 

「緑滴る」は前述のとおり燈子が「どういう意味?」と問いかけた場面です。よって、8話の最もイレギュラーな場面はあそこだよと、この本が教えてくれていたと解釈しています。

 

 

 

紫陽花と信号機から読み解く考察は以上となります。

 

 

 

 

 

2.8話その他の見どころ

 

燈子の考察で謎の緊張や震えが生まれてしまったので、ここからはまったり感想を話していきます。

 

 

 

●侑と沙弥香の距離

 

ぐっと縮まりましたね!この2人の関係性とても好きです。

 

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冒頭はバトンミスでしたが・・

 

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二人で親睦を深めるの図。

 

ここで大事なことが、【お姉さんのことを2人が共有している】という点。

 

お店を出た後、沙弥香は、

「燈子の姉さんが最期にやり残したことだからね。」と言います。

 

お姉さんに関する話題は、6話で沙弥香が、

「七年前の生徒会長、気になるなら調べてみれば?」と侑に助け舟を出しただけに留まるので、おそらく、このヤクドナルドの店内で侑はお姉さんに関して調べたことを沙弥香に報告したのでしょう。

 

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退店時は夕暮れになっているので、2人はそれなりの時間、会話をしたことが伺えます。その描写はありませんが、2人は燈子の根幹にかかわる部分を共有した、という大事なヤクドナルド会談でした。

 

 

 

そして、侑は、雨宿りを経て燈子の厄介さを再認識。

 

 

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校門 での2人の圧倒的距離感も、

 

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EDではここまで近くに!!

2人の間を取り持つ燈子の厄介パワーおそるべし。

 

※余談ですが、体操着姿の佐伯先輩、良き・・・!

 

 

 

 

 

 

●雨の情景

 

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ぼうっとするような、しとしと降り続ける雨。梅雨独特の、いつまでも止みそうにない雨というのが、アニメーションで再現されています。溜まらなく情緒に溢れていて、美術スタッフの方々凄すぎます。平安時代の和歌を詠む人がこのシーンを見たら、その【いとおかしさ】にどんだけ涙を流すのでしょうか?というくらい(笑)

 

 

 

 

 

 

●侑の思いっきりの笑顔
 

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そんな雨から生まれた、侑と燈子の思いっきりの笑顔。

原作でも大好きなシーンです。初めて読んだときなんだか泣きそうになりました。

 

特に侑の笑顔は、燈子の言うとおり、これまで見たことがありません。

本当に、燈子が来てくれて嬉しかったのでしょうね。

考察部分でこの場面に限ってはテンプレという言い方をしましたが、物語の前後を知っていると、この場面の侑の笑顔がどれほど貴重なことか。

 

アニメで声がつくことでより一層、いとおしさといじらしさが増しました。

 

 

 

 

 

 

 

3.ブログ紹介&考察の自由さについて

 

最後に、参考にさせていただいた記事を2つ紹介いたします。 

 

 

www.anime-kousatsu.com

 

前回も引用させていただいた「ゆっちー」さんの記事です。

紫陽花に関する考察については、自分の考えにとても近くて、自信が持てました。

紫陽花に関する定義付けが細かいことや、コメントでの考察も読み応えがあります。

また、「手」に関する部分の考察がとてもよくまとめられています。

 

 

 

yagakimi.hatenablog.jp

 

続いて、yagakimiさんからの記事を紹介します。

(無断転載のため、問題がありましたらすぐに削除いたします)

 

こちらも紫陽花に関する解釈が深いのですが、特に目を引いたことが、侑と沙弥香が好きな色は「青色」であると明らかにして、その根拠がなるほどとなる部分ばかりです。また、本記事と同じく信号機の役割にも触れていらっしゃり、その解釈もまったく異なった見方をされており、とても面白かったです。

 

記事のご紹介は以上です。 

 

 

 

おわりに、前回のコーヒーに関する記事をアップしたあと、多くの方の反応を見ることができ、とてもうれしく思いました。読んでくださりありがとうございました。

 

コーヒーに対する解釈だったり、今回の紫陽花についても、さまざまな考察を見ることができました。まさしく十人十色な解釈ができて、このアニメは本当にすごいなあと改めて思うばかりです。

 

 

次回も相当タフな内容になることは必至と予想されますが、また何かしらの記事が書ければと思います!ではでは!

 

※コメントはこちらのコメ欄かツイッターまで頂けるととても嬉しいです^^

やが君実況&考察用アカウント@duka_yagakimi 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(オマケ)

余談も余談なので、本当にお時間ある方+BUMPOFCHICKENをご存じの方に読んで頂ければ。

 

個人的にBUMPが大好きなので、好きになったアニメと、BUMPの歌を組み合わせて脳内でMADを作ることをよくやるのですが、やが君×BUMPOFCHICKENってめちゃくちゃ親和性あると思っています。

 

特に3話で【プラネタリウム】が出てきた場面。あそこから、一気にやが君への熱が加速しました。

 

今回の8話は、【ウェザーリポート】という曲にとてもマッチしていたので、それを取り上げます。歌詞の解釈もこれまた十人十色なものになるかと思います。では今度こそ記事を終わります!

 

BUMP OF CHICKEN - Weather Report [HQ] - YouTube

 

歌:BUMP OF CHICKEN

作詞:藤原基央

作曲:藤原基央

 

雨上がり指したまんま 傘がひとつ

決まり通り色を踏んで 濡らした紐靴

 

マンホールはセーフね 帰り道で

いつも通り傘の中 笑顔がふたつ

 

何も言えないのは 何も言わないから

あんなことがあったのに笑うから

 

あなたのその呼吸が あなたの心はどうであれ

確かに続く今日を 悲しいほど 愛おしく思う

 

いつもより沈黙が 耳元で騒ぐ

次に出る言葉で 賭けをしている様な

 

夕焼けに差したまんま 傘がひとつ

見慣れた横顔 初めて見た様な

 

傷ついたその時を 近くで見ていた

この目の前だって 笑おうとするから

 

あなたの その笑顔が 誰かの心を許すなら

せめて傘の内側は あなたを許して どうか見せて欲しい

 

触れないのが思いやり そういう場合もあるけど

我ながら卑怯な言い訳 痛みを知るのがただ怖いだけ

 

最終下校時刻の チャイムが遠く

車屋の前の交差点で また明日 じゃあね

 

国道の川を渡って やっぱり振り向いたら

マンホールの上に立って 傘がくるくる

 

あなたの あの笑顔が あなたの心を隠していた

あの傘の向こう側は きっとそうだ 信号は赤

 

あなたの その呼吸が あなたを何度責めたでしょう

それでも続く今日を 笑う前に 抱きしめて欲しい

 

抱きしめに行こう

 

車屋の前の交差点で ショーウインドウに写る

相合傘ひとりぼっち それを抱きしめた

 

自分で抱きしめた