三十路会社員のレート奮闘記

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やがて君になる 10話 感想 考察 ~届かない想いばかり積み重なっていく~

 

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(白紙の短冊)


こんにちは。づかと申します。

やが君10話は、静かなタフ回でしたが、今回も感想&考察を述べてまいります。

※本記事はアニメ『やがて君になる』10話までのネタバレを含みます。ご一読の際は、10話を視聴の上でご覧ください。なお、筆者は原作既読勢ですが、本記事に原作のネタバレはありません。


やがて君になる』10話「私未満/昼の星/逃げ水」

【目次】
1.入道雲と工事現場
2.昼の星は見えない。だけど確かにそこにある。
3.ドーナッツと、シャボン玉と、紫陽花
4.クリオネゲーム
5.逃げ水
6.燈子のキーアイテム
7.望みは、望まないこと
8.ブログ紹介




1.入道雲と工事現場



体育祭も終わり、季節は夏に変わろうとしています。生徒会の劇もいよいよ動き始めて、新章開始!合宿もやります!と、今後の気運が高まるようなお話でした。一方で、侑と燈子の関係は、体育祭を経てどのように変わりつつあるか?その点を中心に考察してまいります。

 

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冒頭、侑は燈子に、完成した劇の脚本を渡しに行きます。そのとき、侑は距離を置く訳ですが、はぐらかしの言葉に「暑いですよね」を使います。

ここでの演出の意図として読み取れることは、侑が暑いというのもうなずける、青空の描写をすることが1つ。もう1つは、【燈子の恋心の順調な成長と、侑の恋心の発展途上】を表していると捉えています。


まず、画面中央に、燈子と重なるように入道雲が写っています。入道雲は強い上昇気流によって発達した雲であり、大きさは10kmにもなるといいます。

そして、画面左側に、侑と重なるように「工事中の建物」が写っています。建物はいくつもあり、そのどれもが完成した状態とは言えなさそうです。

入道雲は綺麗に立ち昇る1つだけであり、建物はいくつもあります。
筆者は、入道雲を迷いなくまっすぐに成長し続ける燈子の恋心を指し、工事中の建物はどれも未完成な侑の恋心と捉えています。次の画像がより顕著なのですが、


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入道雲=燈子の気持ちを遮るものはありません。
一方で建物=侑の気持ちは、鉄の柵により、まるで檻に閉じ込められたかのように、空へと昇ることができていません。このように10話では、侑の気持ちが「沢山生まれる、でも、表には出てこない」という描写が随所に見られます。

なお、入道雲積乱雲とも言われ、ときには雷や嵐、大雨をもたらす存在です。この場面では、綺麗な青空に映える夏の風物詩として描かれていますが、そんな一面も含んでいるものが入道雲です。(嵐を呼ぶ女、七海燈子なんだかク○ヨンし○ちゃんの映画タイトルみたい・・・








2.昼の星は見えない。だけど確かにそこにある。

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10話のサブタイトルにもなっている「昼の星」について。通常、星は夜しか目にすることはできません。星が放つの光よりも、太陽が放つ光の方が大きいからです。でも、星は昼であっても光を生み出し続けています。本当はそこにあるんだけど、目には見えないもの。それが昼の星です。


笹の葉に、結局侑は願い事を書くことはできませんでした。侑の、

「願い事はあるはずだけど奥のほうにつっかえててうまく言葉にならない」

という独白にあるように。

侑は何を願いたかったのか、自分なりに考えましたが、この部分は本記事の最後に述べたいと思います。





3.ドーナッツと、シャボン玉と、紫陽花


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期末テスト対策のため、侑と燈子はお店で勉強をします。毎回数学を教えてもらっているので、侑は本当に数学が苦手なのですね(笑)

明確な演出的な描写(入道雲のような暗喩ではなく、2話や9話における水の表現を用いた直接的な演出)は、10話においてはこの部分だけだったように感じます。


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侑と燈子が会話をするたびに、シャボン玉のような黄色い泡が浮かびます。シャボン玉は何度も写りますが、その度に位置や揺れ方が異なっています。

燈子「侑に嫌われたくないから」

侑「べつにそんなの」

(ここでシャボン玉が消える)

侑「・・まあ いいことだと思いますけど」


この場面が特に決定的ですが、侑のシャボン玉は、心の中でいくつも浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返しているのでしょう。そして、もう一つ注目したい点があります。それはシャボン玉を構成している色なのですが、シャボン玉本体が黄色・背景が淡いが映し出されています。

8話で考察した「紫陽花」が、この場面でも活かされていると考えます。
※紫陽花に関する考察はこちらをご参照ください。
やがて君になる 8話 感想 考察 ~日常から切り離された燈子の世界~ - 三十路会社員のレート奮闘記



黄色(白)の紫陽花の花言葉は「寛容」でしたが、ここで重要なことは花言葉ではなく紫陽花の咲く順番です。紫陽花が移り変わる花の色は、①黄色(白)→②赤(ピンク)→③です。黄色(白)が、最も最初に色づくということに注目しました。そのため、ここでは侑の心に芽生え始めたばかりのものが、浮かんでは消えていることが表現されているのではないでしょうか。









4.クリオネゲーム


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まさか侑がやってる3DSにも演出ぶっ込んでくるとは思わなんだ。


画像小さいため見辛いかと思いますが、筆者が読み取った部分はこうです。
・これはクリオネの育成ゲーム?
クリオネのリボンは黄色だから、クリオネが侑自身という可能性が高い
・パラメーターがある。
 上画面のクリオネは、
 おなか■■■■ きげん★★★ 
 60パーセントくらい
 下画面のクリオネは、
 おなか■■■   きげん★★     
 40パーセントくらい
・「交代」コマンドがある
・下画面のクリオネは、「不思議そうにあなたを見つめています」との記載

※分かりにくいですが■■■の部分は、おそらくおなかが満たされると■に色が入るのではと考えています(即ちこの状態はおなかが全く満たされていない、ゼロの状態だと解釈しています)

www.channel-nets.com



マークの意味や「不思議そうに見つめている」の言葉の意味、クリオネの生態(飢餓状態でも1年は生存可能/雌雄同体)から当てはめるだけでも記事が1本書けそうですが、今回は以下の2点だけ抑えたいと思います。

①個体が2つ(
以上)いるが、いずれもパラメーターはいまひとつ
②いずれのクリオネもお腹は減っているのに、機嫌は良い

①については、これまで述べてきたとおり、侑から沢山生まれてくるものの内の1つ、として捉えればよさそうです。②については後述します。





5.逃げ水


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Bパートサブタイトル、逃げ水について、

逃げ水とは、大気の異常屈折現象の一つ。晴天の日に道路面などが異常な高温になると、それに接する空気が暖められ、地上1mくらいの間に急激な温度差が起こり、このとき地面付近に動く不明瞭な倒立像がみられる。

逃げ水(にげみず)とは - コトバンク

 


これは実際に現象として起きる逃げ水の解説ですが、要するに蜃気楼の一種みたいですね。ポイントは温度差だと考えます。Bパートラスト、侑と燈子の電話での会話は、非常に温度差があるものでした。

燈子「侑は私が何をしてもしなくても 
   きっと本当のところで興味なんかないんだ 
   さっきまでのイライラが嘘みたいに
   溶けてく」

侑「先輩と話すとざわざわする」

との独白でのやり取りに示されるように。

ここまで、「工事中の建物」・「白紙の短冊」・「浮かんでは消えるシャボン玉」のように、侑の伝えたいこと・生まれてきた想いたちは、表には出てきませんでした。この電話でも、それらが摩擦となり、侑の心をざわつかせます。

しかし、侑はこうも言っています。

侑「先輩と話すとざわざわする 菜月が言ったとおりだ余裕なんてない だけど嫌な感じじゃない

と。ここでまさかのクリオネの話につながるのですが、【お腹は減っている。だけど、機嫌は良い】と同じ状態と言えます。伝えたい想いは言葉にできずとも、好きな人の隣で同じ時間を過ごし、離れていても電話で話すことができる。それは幸せなことだから、侑は笑顔を見せてくれているのだと思います。


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この電話の場面、筆者は作中でもとても好きなシーンです。
これは完全な感想なのですが、
・侑の赤ちゃんみたいに身体を折りたたみながら、枕を抱きかかえる仕草!
・「どうでもよくなんかないですよ」ではなく「どうでもよくなんかないよ」と敬語でなくなる瞬間!
この辺りの侑の健気さ・愛おしさは言葉にすることができません。胸が締めつけられるような何とも言えない気持ちになります。今回も、侑役の高田さんの演技が素晴らしかったです。






6.燈子のキーアイテム

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アバンで燈子が夢に見ていた内容が、Cパートで明かされます。燈子の短冊への願い事は「生徒会劇が成功しますように」という描写を踏まえることで、「私はお姉ちゃんになるんだ」という燈子の決意が分かりやすいものになっています。

ここで写真立てが登場することで、OPで燈子が持っていたものがそれだったことが明らかになります。

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燈子のキーアイテムは、お姉さんの写る写真立てでした。OPではその後、写真立てを置いたまま(=お姉さんを置いたまま)燈子が立ち去ることもポイントです。






7.望みは、望まないこと

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「いつまでも あなたの隣にいられますように」

 


最後に、短冊の願い事の部分に触れて考察を終えます。上記で述べたとおり、侑が願いたかったことは、沢山の想いは浮かんでくるものの、言葉にはできませんでした。そして、結果として白紙の短冊を飾ることになります。

侑がそれを選択した以上、正解はそれ以外にありえません。

なのでここからは二次的な妄想になりますが、自分としては黒字で書いたことが侑の願いではないかと思いました。この部分は視聴者全員が考えられる自由な部分であり、昨今ネットで話題になっているエモ帯(※原作漫画のエモい帯のこと。原作者仲谷先生と楠編集が毎回案を出し合っている)ならぬエモ短冊があってもよいのかなと思いました。




それでは、今回の考察は以上になります。

今回は、ほかの方の考察を読まずに予備知識なしで記事を書くということに臨んでみました(原作知識はありますが)。

このあと、いろいろなブログやツイッター等で考察・感想を見れることが楽しみです^^

 

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

ではでは!


8.ブログ紹介

www.anime-kousatsu.com

 

いつもご紹介させて頂いているゆっちーさんの記事から。
「もうどうでもよくなんかないよ」の言葉の考察が素晴らしかったです。
この部分について自分はかなり感情的に見てしまったので、考察をする余裕がなかったのですが、流石です。「もう」を入れることでさらに侑のいじらしい気持ちが伝わってきます。


yagakimi.hatenablog.jp

こちらも、いつもご紹介させて頂いているygkmさんの記事です。
どれも深い考察ですが、特にドーナッツへの考察(残った味はなにか)と、サブタイトルへの考察が圧巻の内容でした。昼の星⇔逃げ水を根拠を交えながら、侑と燈子の気持ちになぞらえる部分に、本当にはっとさせられる記事でした。

ご紹介は以上になります。